産後は運動はしない方が良いのでしょうか?
産後は絶対に安静が良いのだろうか?

WEBを検索すると産後は安静にすることが必須とされている文言をよく見かけます。
確かに産後すぐは無理な運動や動き過ぎは産後の身体に酷と言えます。
ただし、全く動かないでいるとそれ自体が身体にとってデメリットとなることもあります。またメンタル面の問題も考えられます。
このページでは産後での運動のメリット、デメリットについての私見をまとめました。
POINT
絶対安静はデメリットもある
安静にするデメリット

安静にするデメリット
1.筋力・体力の低下
安静にしている期間が長いほど、筋力、体力が低下しやすいです。筋力が低下すると動くのが辛くなりますし、運動時に痛みが出やすくなります。また産後の身体感覚にも影響を与えることが示唆されています。
(沼田 富久美 (2022)妊娠期に長期安静入院した女性が産後2ヶ月までに捉えた身体感覚.UH CNAS,RINCPC Bulletin Vol.29 兵庫県立大学学術情報リポジトリ)より
”妊娠期に長期安静を行った女性には、産後に体力の低下感を持ち、退院後の生活にも支障を感じていた。”
としています。つまり産後においても長期の安静は体力の低下感を与え、日常生活に負の影響を与えることが考えられます。
2.メンタルヘルスへの悪影響
一般的に運動するとストレスレベルが下がると言われています。産後は生活環境の変化やホルモンバランスのアンバランスによりストレスを感じやすい時期です。運動をまったくしない状態が続くとストレスが溜まってしまい、産後のメンタルヘルスに悪影響がでると考えられます。
3.痛みの原因になる
長期間安静にしていると痛みが出やすいです。例えば、病気の時に長い時間寝ていると腰が痛くなったりした経験がある方もいらっしゃるかと思います。もちろんインフルエンザなどの感染症の場合はそのウイルスによって痛みが出ている場合もありますが、長期間安静にしていると血流が悪くなり、筋肉が阻血を起こし痛みが出ます。痛みを取ったり、身体を休ませるために安静は重要ですが、長時間安静にしてまうとかえって痛みにつながります。また肩こり等も起こりやすくなります。
POINT
安静にするデメリット
・筋力・体力の低下
・メンタルヘルスへの悪影響
・痛みの原因になる
運動するメリット

運動するメリット
運動するメリットはとても多いので箇条書きで書きます。
・筋力・体力向上
・ストレスレベルの低下
・痛みが出づらくなる
・痩身、ダイエット
・肌がキレイになる、アンチエイジング
・睡眠の質が上がる
・生活習慣病の予防
・心肺機能の向上
などとても多くあります。
POINT
運動するメリットはとても多い
運動はいつから行う?

日本には床上げという言葉があります。
これは産後などの後に身体を休める期間があり、なるべくベッドや布団の上(床)で過ごすことを勧める文化です。
その身体を休める期間を終えて、日常生活に戻ることを床上げと言います。
産後の床上げはおおよそ1ヶ月程と言われており、また床上げ前に無理はしない方が良いと考えられています。
河内 美江(2009)出産後3年以内の女性の尿失禁と出産との関連性-尿失禁予防と改善に向けた助産師の役割-日本看護研究学会雑誌/32 巻 (2009) 1 号 出産後3年以内の女性の尿失禁と出産との関連性 より
独立変数15変数のうち,出産後2ヵ月から現在までの尿失禁に関連している要因は,床上げまでの間に休息できなかった経験(標準化ロジステック回帰係数=3.859,オッズ比=2.178),帝王切開経験(標準化ロジステック回帰係数=-0.807,オッズ比=0.289),出産直後の尿失禁経験(標準化ロジステック回帰係数=0.779,オッズ比=4.750),初めての妊娠前の尿失禁経験(標準化ロジステック回帰係数=0.367,オッズ比=3.404),BMI(標準化ロジステック回帰係数=0.320,オッズ比=1.107),最後の出産年齢(標準化ロジステック回帰係数=0.312,オッズ比=1.076)順で有意差がみられた。
としている。
以上を踏まえて考えると、産後の床上げまではあまり運動をしない方がよいと考えられます。
運動をするならば産後1ヶ月経ってからが良いでしょう。
POINT
産後の運動は1ヶ月過ぎてから行う
どんな運動が良いの?

産後は無理をしなことが前提となります。
例えば重いものを持ったりすることはあまりオススメできません。
まずは日常生活を普通に行うことが運動になります。
日常生活が無理なく行えるようになったら、散歩を取り入れると良いでしょう。
また、産後は骨盤底筋などのインナーマッスルが弱っていますので、インナーマッスル等を鍛えるヨガやピラティスなどもオススメですが、もし行うのであれば産後に特化したヨガやピラティスを行っているところで行うことを勧めます。産後の身体は通常よりも弱っており、無理すると痛みが悪化したり辛くなってしまう可能性があるからです。
日常生活の中で無理なく身体を動かしていきましょう。
POINT
・産後は無理をしないことが鉄則
・まずは日常生活の中で無理なく動く
・インナーマッスルは弱っているので鍛えることをオススメ
産後の不調は産後整体らくにお任せください
産後は安静にする期間も必要ですが、ずっと安静にしているとデメリットもあります。日常生活の中で無理なく少しづつ身体を動かしていくと良いと思います。お身体の状態は人によって様々ですので、その方に合わせた運動レベルが存在します。その見極めをしながら運動していくことが産後には大切だと思います。トレーニングについて専門的に学んだ体育学修士の院長が直接トレーニング指導を行います。産後のあなたに合わせた適切な運動療法をご提案いたします。もし興味ありましたら、お気軽にお問い合わせください。

